外国人との付き合いで
「やたら自己主張が強いな」
「ちょっとぐらい空気読んでよ!」
「なんでわからないかな〜?」
と感じること、ありませんか?
そうした違和感を感じる背景にあるのが
「ハイコンテクスト文化」
「ローコンテクスト文化」です。
今回は「ハイコンテクスト文化」について解説します。
目次
ハイコンテクスト文化とは?
「ハイコンテクスト文化」は英語表記で「High-Context Culture」ですが、直訳すると
「文脈に高く依存したコミュニケーションを行う文化」
という意味です。
ここでの「文脈」とは
- 相手と共有している価値観、知識
- 共通認識
- 相手との関係性
- 場の雰囲気
- 会話の流れ
のことです。
したがって「ハイコンテクスト文化」ではそれらの「文脈」に高く依存したコミュニケーションを行う文化ということになります。
別の言い方をすると「文脈」を「空気」と置き換えて「空気を読む文化」と言ってもいいです。
ここではハイコンテクスト文化におけるコミュニケーションの特徴と、そこでの価値観、考え方について解説します。
ハイコンテクスト文化におけるコミュニケーションの特徴
「ハイコンテクスト文化」におけるコミュニケーションの特徴として以下のようなものがあります。
- ボディランゲージ、顔の表情、目線、声のトーンで真意を伝える
- あいまい表現、ほのめかし、沈黙も多用する
- 断定を避ける表現を多用する
- 聞き手が話し手の意図を汲み取る
- 自己主張、議論、言い争いを避ける
- 「わかりきったこと」は口にしない
それぞれの特徴について以下の通り解説します。
ボディランゲージ、顔の表情、目線、声のトーンで真意を伝える
「ハイコンテクスト文化」のコミュニケーションの特徴として、「言葉で直接意図を表現しない」コミュニケーションが多いということです。
例えば心の中では「No」なのに、言葉では「Yes」と言ったりします。
ただ、口では「Yes」と言いながらも、その顔の表情は曇っていたり、目を逸らせていたり、消え入るような声で「Yes」と言っているのです。
そして話し手は言葉以外の部分、つまりボディランゲージや顔の表情などから相手に対して「真意」を伝えようとしているわけです。

あいまい表現、ほのめかし、沈黙も多用する
「ハイコンテクスト文化」のコミュニケーションでは結論や意図をあいまいな表現で済ませたり、何も言わないこともあります。
例えば、あなたも聞かれたことがあるかもしれませんが、ある提案や要求に対して本心では「No」なのに
「検討しておきます」「上司に相談します」
と結論や意図をあえてぼやかすことがあります。
また会議でも相手の意見に対し賛同できない場合、沈黙を使ってその場をやり過ごすのです。

断定を避ける表現を多用する
「ハイコンテクスト文化」のコミュニケーションでは
「たぶん〜」「おそらく〜」
「少し〜」「もうちょっと〜」
「〜ではないでしょうか」
「〜かもしれません」
など、強く意味を断定したり、意図や意見を強調するような表現を避ける特徴があります。

聞き手が話し手の意図を汲み取る
上に説明の通り「ハイコンテクスト文化」でのコミュニケーションでは話し手が言葉を使って自分の意図を相手に伝えるのではなく、言葉以外の部分を使って真意を伝えることがあります。
そしてその聞き手の方が話し手の意図を言葉以外のところから「察しなければならない」のです。
話し手の方も、ボディランゲージや顔の表情、声のトーン、沈黙などを使うことで聞き手の人に「察してほしい」と願っているところがあります。

自己主張、議論、言い争いを避ける
「ハイコンテクスト文化」では自分の意思や意図を言葉で明確に表現することによって相手との意思疎通を行ったり、問題解決を図ることと避けようとします。
これまで説明したようなコミュニケーションの態度、つまり
・あいまいな表現を使う
・ボディランゲージなどを使って相手に察してもらえるよう努力する
といった態度を示しながら、言葉では本人の意図と異なることを言うのです。
言葉で本音を言ってしまうと相手との関係が悪くなってしまったり、相手を傷つけたりがっかりさせてしまうという配慮が働くのです。

「わかりきったこと」は口にしない
日本でよく言われる言葉として「あうんの呼吸」「以心伝心」「ツー・カーの関係」などがあります。
まさしくこれらは「わかりきったことは口にしない」ということを表したものですね。
お互いに長い付き合いがあることで相互理解が強固である場合や、長くそこで根付いている「常識」や「暗黙の了解」「しきたり」「慣例」など、
「逐一言わなくても相手もわかっているであろう」ことは「ハイコンテクスト文化」ではあえて指摘したり繰り返したりしないということです。

ハイコンテクスト文化における価値観・考え方
ハイコンテクスト文化では上に説明したようなコミュニケーションの特徴がありますが、では一体どうしてそのようなコミュニケーションの態度や作法がとられるのでしょうか。
ある行動がとられる背景には、そこで大事にされている価値観や考え方があります。
ここではハイコンテクスト文化では何に価値が置かれているか、どのような考え方があるかを見ていきましょう。
円滑な人間関係・場の雰囲気を重視
ハイコンテクスト文化で最も大切な考えとして、相手との人間関係を良好なものに保つことが何よりも重視されます。
だから相手が機嫌を損ねたり、お互いの関係にヒビが入らないよう表現に気をつけるようになるのです。
また友好的な雰囲気や「いい感じ」の空気感になっているところに「水をさす」ようなことはやってはいけない。
だから言葉ではあいまいな表現が多くなったり、断定を避けるようなコミュニケーションが多くなるのです。

上下関係・メンツを重視
ハイコンテクスト文化には上下や階層、序列を重視する文化が多いと言われています。
そこでは特に目上の人に対して「一歩下がる」ことによって相手を立てることが求められます。
またメンツのことを英語で「Public Image」と言いますが、目上の人というのは「自分がこのチームで一番事情に詳しい」といったメンツがあります。
その相手のメンツ、つまり周りが相手に対して持っているであろうイメージを壊さないような配慮、コミュニケーションが大切です。

「謙虚さが美徳」
人との関係において常に自分が一歩引いて相手を立てるという感覚は、「謙虚であることが良いこと」という価値観の表れでもあります。
常に低姿勢で相手の言っていることや立場に対し敬意を示すことが対人関係において重要とする考えがあります。そのため相手との意見の対立、立場上の相違があった場合でも相手を敬うことが優先されます。
自分の意見を表に出す場合も直接的な表現を用いるのではなく、あいまいな表現を用いたり、断定表現を避けるという態度となってくるのです。

「どう言ったか」を重視
相手が「何を言ったか」よりも、相手が「どう言ったか」に無意識のうちに注意を向けています。
ハイコンテクスト文化では自分の意図を表立って出さない特徴があるので、相手のコミュニケーションの態度や様子に注意が向けられ、その態度などから相手の意図を察することによって相手を理解しようという姿勢につながっていきます。

誤解が生じるのは聞き手の責任
コミュニケーションでもし何らかの誤解が生じた場合、それは聞き手の責任だという考えがあります。
上に説明の通り「ハイコンテクスト文化」では話し手は言葉だけではなく、そのボディランゲージや顔の表情、声のトーンなどで真意を伝えることがあります。
そこで誤解が生じたということは「聞き手が話し手の意図を正しく理解しなかった」というように、誤解の原因が話し手ではなく聞き手になってしまうことが一般的です。

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