こんな「共感」もうれしい

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仕事で得られる充実感とは、日常の、何気ない時間の中にこそ宿るのかもしれません。たとえばお湯を沸かしている数分の間に。
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先日、ちょっとくたびれたのでお茶でも飲もうと休憩室に入ったときのことです。
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ひとりの同僚が、水の入った電気ケトルにスイッチを入れたところでした。
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その同僚とは挨拶や簡単な近況のやり取りはあっても、特に用事もないところでふたりだけになる状況はありませんでした。
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今回もさらっと挨拶をしたあとは話すことも特に見当たらず。
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休憩室の外に目をやると、夕陽が目のまえの建物を明るく照らしていて一日が終わりを告げつつありました。
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ああ、今日も一日が終わっていくなあ。
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そんなことを考えるうち
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透明のプラスチックでできた電気ケトルが少しずつ「本気」を出しはじめたのか静かに音をたてはじめ、水の中に小さな気泡がたちはじめました。
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電気ケトルの前でつっ立ったまま、ふたりしてその様子を何も言わずボーっと眺めていました。
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するとふいに彼が
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「こういう時間っていいよね、お湯を沸かす間にボーっとするのって」
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その言葉に我にかえりながら、なんだか空気がほどけた感じがしました。
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「うん、僕もこんな時間が好き。家で洗濯機をまわしている間、それをずっと眺めてることもよくあるよ」
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彼は「えぇ?なんじゃそれ?」というような笑みをうかべました。
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洗濯機が回るのを眺めることで「心の安らぎが得られる」という僕の考えには同調してもらえないようでしたが
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特に意味のない時間に静けさが訪れる、そんなひとときの心地よさは重なった気がしました。
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電気ケトルの水はやがて大きな泡がポコポコと音を立てはじめ、しばらくしてカチリと音を立てスイッチが切れました。
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「あぁあ、現実に戻っちゃったなあ」
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とつぶやいたのち
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彼が紅茶のティーバッグが入った自分のコップにお湯を注ぎ、それから僕のルイボスティーのティーバッグが入ったコップにお湯を注いでくれました。
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「じゃあ残りの一日、よい時間を」
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「うん、ありがとう、あんたもね」
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と言いあってお互い休憩室を後にしたのでした。
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仕事で得られる充実感や、そこに自分がいる意義。
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それらは何かを成し遂げたときだけでなく、そんな何気ない「静かな共感」の積み重ねの中にもあるのだと思います。

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画像は、先日行われた職場メンバーでの会合のときの写真です。
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内輪ウケではありますが、全体写真でポーズが揃ったときと揃わないときのギャップが好きで。
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僕のいる南アフリカチーム、ホントに優秀でいいチームだなと思っています。
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こんな恵まれた環境に身を置かせてもらっているだけでもありがたいことです