どれだけお互いの理解や異文化適応のトレーニングを重ねても、うまくチームづくりができないことがあります。
相手と肌の色が違う、外国人というだけで拒絶反応を起こしている人がいる。
「こっちがスポンサーなんだから、周りは黙ってこちらに従っていればいい」という空気をまとっている人がいる。
こうなると、チーム作りの過程で「違いを理解しましょう」と言えば済む話ではなくなってきます。
僕が考えていることはいつも同じです:
「いいチームをつくりたい」
僕にとって「いいチーム」とは何か。
それはメンバー間で、お互いに信頼関係があることです。
仲良しグループというのではありません。お互い好き嫌いはあるかもしれない。
でも、そこでたとえ国籍やバックグラウンドが違っていても、同僚として、パートナーとして、上司として、お互いが信頼しあえている。
そんなチームを作りたい。
これは過去に僕がその喜びを味わわせてもらえたことが影響していて
同じ喜びをまた別のチームで、できるだけたくさんのメンバーと味わえたらいいなと、いつもそんなことを考えています。

でも、他の人にそれを押し付けるつもりはありません。だから
「僕は信頼関係のある、いいチームを作りたい」とか
「お互いの理解を深めていきましょう」
なんてことも人の前では一切口にしません。
その信頼づくりを難しくする原因のひとつは「ちゃんとやっている」の基準がメンバーの間で違うことです。
たとえば四角いテーブルの雑巾がけ。
四隅に沿って丁寧に雑巾を滑らせる人もいれば
テーブルの真ん中あたりを、ふぁんふぁんと丸く雑巾をかけただけで「テーブル、きれいにしておきました」と言う人もいます(私がそうです💧)。
ただ、こうした「見えやすい違い」はトレーニングや日々コミュニケーションを重ねることで何とかなっていくことが多いです。
でも、どれだけ日々コミュニケーションを重ねても
どれだけ仕事の仕方の違いや価値観の違いを説明しても
メンバーの信頼形成がおぼつかないことがあります。
それは冒頭に書いたような、本人に自覚のない、強固なステレオタイプや偏見、差別意識があるケースです。
そして自分の正しさだけが前提になっている人は
「お互いの理解をもっと深めていきましょう」
という言葉を決して正面から受け取りません。
むしろ「そんなもん、相手次第だな」とか
自分の正しさを強調する方向に動いてしまう。
さらに相手の粗探しを進めてしまう。
そうなってしまうのがわかっているから、僕はそんな言葉をみんなの前では絶対に口にしないのです。

ではそんなチーム状況の時に何ができるのか。
ずっと駐在員をしてきましたが、正直、明確な答えを僕はまだ持っていません。
地道に、シレッと、毎日を積み重ねるしかないのかもしれません。
今日も一緒に仕事をする。
メンバーひとりひとりと話をする。
メンバーの「ガス抜き」を手伝う。
お互いの間で「通訳」の仕方を少し変えてみる。
そして、また次の日も一緒に仕事をする。
そんな小さな一日を繰り返しているうちに
「あのメンバーと一緒にやっていれば、なんとかなる」
そうお互いに思えるようになる…そうなればいいなと思いながら、今日も僕はモヤモヤと悩んでいます。
