「聞いてないよ」「しらんがな」

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日本と海外の関係者との間に立って仕事をしていて、もっとも聞きたくない言葉のひとつが「そんなの聞いてない」です。

なかでも「想定外」のことを日本の方はとても嫌がる傾向があるように思います。

 

だいぶ前の話ですが

現地の人たちとの会議が終わりにさしかかろうとしたとき、現地のトップの方が日本側のわりと高い地位にいる人に対し

「では、最後にぜひ一言」

と突然振ったことがありました。


振られた日本の方は

「えぇ?」

と表情をこわばらせ、そろそろと立ち上がってなんとか短いスピーチを乗り越えられましたが

会議が終わったあとに僕は文句を言われたのです。


あいさつをさせられるなんて聞いてなかった。
議事次第にもそんなの載ってなかったよね?
オカベさん、あなた知ってたの?

いやいや、僕も知らんかったです。
現地の方がその場の思いつきでやっただけで。

その方は

「会議の最後に挨拶がありますよ」という「事前のお知らせ」がなかったことがご不満だったようなのです。

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他にも「会議の前日までに」現地の人たちの発表資料を全部揃えるよう、日本の方に求められることが実に多いのです。

「ドッキリな発言」を当日に聞きたくない

「ドッキリな発言はない」ということさえ事前に知っておきたい

ということなのでしょう。


でも現地の人たちがプレゼンを考えるのは会議前のギリギリのことも多く

ひどい時は会議の1時間前にスライドを3、4枚パパッと用意するだけです。


それにも関わらずひっきりなしに日本からメールが来て

「現地側のプレゼン資料、まだですか?」と。



現地の人に一応催促はしてみますが

「なんで事前にプレゼン資料を欲しがるのか」

といつも不思議がられ、嫌悪感を隠さない人も結構います。

「事前にプレゼン資料を見るのなら
わざわざ会議しなくていいじゃない」と。


日本の関係者は事前に相手の発言を知っておくことで、あらかじめ理解を深めておいたり質問を用意したいわけです。

それが相手への誠意の印。

それはわかるものの現地の方にそんな風に言われた日には、そのまま声を大にして日本の関係者に言いたくなります。


そしてプレゼン資料が準備できていない状況を見て

「まだ準備できてないの?」
「現地はテキトーなヤツばっかりだな」

なんて妙な解釈をする人たちが日本の中には結構いらっしゃるので本当に困ります。



現地の人は日本の人たちの
「はよくれ〜」の催促に嫌悪感を抱き

日本の人たちは現地の人に
「まだ?ダメだこりゃ」と失望する。

この間で板挟みになる僕。

上の画像は「不確実なことを嫌う度合い」を国別に示したもので、世界レベルで見ても日本はダントツに高いのです。

つまり日本では「安心」「安全」が何よりも大事で、「想定外」や先の見通しが立たないと不安やストレスを引き起こしやすい。

でも逆にいうと、いろんなことがクリアになっている状況では最強です。

下の画像のでこぼこ加減を見ていると、国によって「強み」というのは千差万別で、

その相手の「強み」も、その裏をみれば「弱み」が見えてくるものだなとつくづく思います。