海外の人と仕事していて本当に頭が痛いのが、どちらも「正しいこと」を言っているとき「果たしてどちらを取るのか?」という問題です。
例えば会議の運営の仕方、参加の仕方について
日本の方と会議をするとき、たいてい「何時から何時まで」と会議の終了時間があらかじめわかっていることが多いですよね。
多少のズレはあっても、大抵その通りに会議が終わることが多いように思います。
だから会議のあとに他の予定を入れやすいですし、時間通りに会議が終わってくれるので他の予定にも影響が出にくいですよね。

ところが以前ある国で会議をしていたとき、議論が長引いて落としどころが見えないまま終了の予定時間を過ぎそうになったことがあります。
会議に出席していた日本人の同僚は次の予定があるので時計ばかり気にしています。
次の予定に遅れると、そこでの関係者をお待たせして迷惑をかけてしまう。
相手の時間を無駄にすることで、こちらの信用にかかわってしまう。
だからそろそろこの会議から去りたい。
それなのにその国の参加者は
誰かがああいえば
違う人がこういう。。。
また別の人が立ち上がって持論を展開する。。。
終了時間が迫っているのに、そんな終わりの見えない状況が続くので日本人の同僚は明らかにイライラしています。
そこで埒が開かないので、いったん「お開き」にして後日また会議をセッティングしましょうと僕から提案しました。
ところが会議に出席していたその国の参加者から、僕は集中砲火を浴びてしまったのです。
彼らいわく、
「われわれはこのプロジェクトの進め方に疑問を感じていて、その解決のためにこうして会議にやってきた。
「何も決まっていないのに会議を終わらせる?私は会社に戻ってなんと報告すればいいのだ?」
「ここでみんなの話を聞きたいから会議にやってきたのに、それをなぜ途中でやめるのか?
「全員が言いたいことを言っていないのに会議を終わらせる?それなら最初から来なければよかった。これこそ時間の無駄だ。」
「あなた(僕のこと)はこちらの事情なんてどうでもいいのか?こちらの話を聞くつもりがないなら、何のために我々はここにいるのか?」
そんな怒りの声を聞いていて僕はただただ「あわわ💦」となるばかりでした。
なぜなら彼らの言い分もわかるからです。
問題解決のために会議をしているのに、それを「終了予定時間だから」という理由で中途半端にお開きにしようとしている。。。
その一方で日本人の同僚がイラついている理由もよくわかるのです。
日本人だけの会議では終了時間が近づいているとき、その「空気」を読んで言いたいことがあっても引っ込める人いませんか?
なぜならそこで発言してしまうと終了予定時間をオーバーしてしまうかもしれないから。
そうなると周りの人たちに迷惑がかかるから。
日本人にとっては自分の時間だけでなく周囲の人の時間も大切にすることがモラルなのに、
現地の人たちは自分が話すことばかりに夢中になっていてモラルのかけらも見えない。
一方で、現地の人たちは問題解決こそが会議の目的。
全員が言いたいことを言い、そこでお互いが満足のいく解決を見出すべきで「予定の時間がきたから終了しましょう」なんてとんでもない。
次の予定に遅れる?それも仕方ないじゃないか、だって今みんなで大事な話をしているんだから、というスタンスなのです。
「時間管理」と「他の人への迷惑をかけないこと」を優先する人
vs.
「自分が納得するまで発言や議論をする」を優先する人。
このように、海外の方と仕事をしているとお互いのモラルや大事にしていることの間にギャップがあることで
お互いの関係や仕事の効率に影響を与えることがあるということなのです。
こんなときに
どうしたら僕も泡を吹かずに済むか
どうしたらお互い満足のいく仕事ができるか
これからも試行錯誤していきたいです。