「敵の敵」は「味方」で得られる感情

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最近、こちらのNetFlixでスタジオジブリの『天空の城ラピュタ』がやっているのを発見し堪能しました。

数あるジブリ作品の中で少し前まで『千と千尋』『カリオストロの城』が一番だったのですが、今回『ラピュタ』が僕の中でダントツの一番になりました。

物語の面白さ、音楽のすばらしさはもちろん、観終わったときの爽快感といいますか、気持ちのいい人たち同士の最後の別れのシーンでじわーっとこみあげてくるものがありました。

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『ラピュタ』で面白いなと思ったのが「敵の敵は味方」という視点でした。

ある相手と最初は反発しあっていても、その相手の「敵」が自分にとっても「敵」だと気づいたとき、それまで反目しあっていたのがウソのようにその相手との間で共感や親近感が芽生えるのです。

だいぶ前の話になりますが、ある国で仕事をしていたとき、現地のスタッフと何をやってもうまくいかず関係がギクシャクし、

おまけに日本の本社からもワケのわからない指示や意味不明な判断が送られてきて八方ふさがりになってしまったことがあります。


そんなとき、その日本の本社の指示や要求に対し現地のスタッフたちも僕と同じく困惑や憤りを感じていることがわかり、

そこから僕と現地スタッフの間で一気に距離がなくなって、それ以来いろんなことをお互いに話せるようになり、言葉で言い尽くせないほど僕をサポートしてくれるようになりました。

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海外の方と仕事をしていると

言葉の違い
肌や目の色の違い
仕事の進め方の違い
コミュニケーションの態度の違い
考え方の違いなど

「違い」ばかりが目につくことが往々にしてあります。

「違い」があるから同じチームやパートナーという間柄であっても、その相手を「敵」として認識するようになり、苦手意識や嫌悪感だけが増幅され付き合うのが億劫になるのです。



でも、日々仕事でのやり取りや付き合いを重ねていると、そんな「違い」ばかりではなく、あることに対して同じ感情を持っていることに気づくこともたくさんあります。

そして同じ感情を持つということは、その感情を生み出している価値観や信念のようなものも同じであることに思い至るのです。



相手が異国の人であっても、ある対象について瞬間的に自分の中で芽生える感情が相手と同じであることに気づくとき

その相手に対する距離は近くなり、信頼感や連帯感もぐっと高まるのではないでしょうか。

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だから海外の人との仕事においても、最初から身構えたり疑心暗鬼になったり緊張したりする必要は全然ないと思うのです。

もちろん言葉をうまく操れたり、「相手と何がどう違うか」をあらかじめ理解していると、効率的に仕事したり、問題があってもいろんな対処法がいち早く見つけられるというメリットはあります。



でもたとえそんなものがなかったとしても、海外の人と信頼関係を築き、うまくやっていく方法があるように思えてなりません。

それは特別な才能や努力、経験を必要とするものではなく、

人間として根源的な、誰もが持っている、何かに対して自分の中で自然に芽生える「感情」がきっかけになるのではないかと思うのです。

そこから相手と共鳴しあったり、共感しあったりすることによって得られる関係は、海外の方と仕事をする上でももっとも強力に働く―そんなことを改めて実感している今日この頃です。