異文化は何でも「受け入れる」のではなく・・・

仕事にどう取り組むべきか
上司や同僚、部下、外部の関係者と
どのような態度で接し
どうコミュニケーションを取るべきか。


それらについての

「常識」
「価値観」
「モノの考え方」

が文化的背景が異なる人々の間では
異なることが多いものです。

​多様性・多文化共生の時代。

そこではそうした常識や価値観の違いを

「許容し」
「寛容になって」
「受け入れなければならない」

という論調が多いことに気付かされるのですが、

異文化適応の専門家として
私はいつもそこに引っ掛かりを覚えるのです。

「寛容にならなければならない」
「受け入れなければならない」

というと

それはあたかも
嫌いな食べ物を押し付けられているのに

笑顔を浮かべながら
「美味しいね」
と無理してでも言わなければならないように
聞こえるのです。

異文化は「受け入れる」ではなく「受け止める」

異文化はがむしゃらになんでも
「受け入れる」のではなく、まず

「受け止める」

で良いのです。


相手から投げられたボールを目の前でキャッチし、手に取ってしげしげとそのボールを「観察する」というイメージです。

ボールの
色や模様、重さ、大きさ、手触りなどなど

自分の中に入れるのではなく
目の前で止めて「観察する」のです。




相手の態度につい
「イラっ」としたら
「へ?」と思ったら
「チッ」と
思わず心の中で舌打ちしてしまったら
それはあなたが相手に違和感を持った証拠。


違和感を覚えつつ
「受け入れよう」とするのは最悪で

その違和感を覚えた時が
「受け止める」時です。

​​
「受け入れる」

というのはどちらか片方が
相手の考えに妥協したり
盲目的に相手の態度を真似ることですが

その場合

「受け入れた」

が故の拒絶反応や反発、
相手に対する苦手意識しか残りません。


それを無理して
「受け入れる」のではなく

「受け止めて」

しばらく相手を観察したり
相手や周囲の人に
その理由や考え方を聞いてみるのです。


すると
どうして相手は
そんな仕事の仕方をするのか、

どして相手は
そんな口の聞き方をするのか、

相手なりの論理が見えてくるようになります。

異文化チームのリーダーやマネージャーに求められること

国籍やバックグランドが違う人が
チームや職場にいる場合、

心地よい人間関係や信頼関係を築き
いい雰囲気の中で仕事をしていくために

あなたが相手に違和感を抱いた時、
相手があなたに違和感を持った時に

お互いどう折り合いをつけるかということです。

それをチーム内で調整し
メンバーの間で不協和音が出ないようにすることも
リーダーやマネージャーの仕事です。


誰かがチーム内のメンバーに対する違和感を

ただ「受け入れて」

黙ってやり過ごすのではなく、

「受け止めた」ボールを
手にとって観察して

さて、どうしようか

と考えたり
チームのメンバーでの話し合いを
呼びかける。

そんなことが
リーダーやマネージャーには必要なのでは
ないでしょうか。



これまで6カ国で駐在員をしてきましたが
お互いの不満を話し合う場面って
結構緊張します。

なぜなら下手をすればチームが
空中分解してしまうから。

でも長い目で見れば
チームにとって必ずプラスになります。


そのためにもまずは

無理して「受け入れる」のではなく

「受け止める」

という意識が大切です。


・・・と、
そんなことを先日ライブでお話ししました。

詳しくは↓からご覧ください!

【動画】異文化を「受け入れる」?