海外の方と共通認識を確実にする方法

海外の方との仕事や生活では、相手と「共通認識がズレている」ことが多いものです。

相手も同じく「わかってくれているだろう」ことが、案外相手がわかっていなかったり、同じことについて話しているつもりでも、こちらと全く異なったイメージを持っていることに気づかされるのです。

そして「共通認識のズレ」が落とし穴となり、仕事でも時間やお金、労力の想定外のロスに繋がってしまうことがあります。

今回はその共通認識を確実に形成するための基本的な方法についてお話します。

その言葉の意味、相手と解釈が同じですか?

普段何気なく使っている言葉が、あらぬところで相手とその解釈が異なっていることがあります。

例えば「会議の準備をする」という言葉について考えてみましょう。

あなたが海外のスタッフに「今度の会議の準備、よろしく頼むね」なんてスタッフに頼むことがあったとします。

その時に「会議の準備」の内容があなたと相手の間で認識がズレていることがあるのです。

あなたにとって「会議の準備」とは、会場の予約をし、招待状をデザインして印刷し、メール等で参加者に招待状を送り、参加者の出欠を取り、プレゼンをする人に事前にパワポを送ってもらって・・・などなど、かなり細かいところまでイメージしていたとしましょう。

それに対して「会議の準備」を依頼されたスタッフの頭の中で、「会議の準備」といえば会場の予約と出欠確認だけで良いと考えていることもあるということです。

この場合、後になって「会議の準備」がしっかりできているかあなたがスタッフに確認した時、スタッフがプレゼン資料を何も準備していなかったりすることがあるわけです。

つまり、「会議の準備」と言ってもその言葉からイメージすることが違うことがあるのです。

こういった本当に何気なく口にしている言葉にこそ、お互いの理解や信頼を作っていく上での落とし穴が潜んでいるわけで、特に海外のスタッフと仕事していく上ではその落とし穴を一つ一つ事前に確認していくことが大切なのです。

誤解を招きやすい言葉集(事例)

以下に、普段何気なく使っている言葉を挙げてみますが、あなたが接している海外のパートナーがどのようなイメージでその言葉を使っているか、確認してみてはいかがでしょうか?

具体的に何をするか?

以下の言葉は「何を」「どのように」「どのぐらい」を明確にしなければ相手と誤解を生んでしまうことがあります。

  • 管理する(Manage)
  • 検討する(Consider)
  • 検証する(Verify)
  • 最適化する(Optimize)
  • 準備する(Prepare)
  • 処理する(Deal with)
  • 推進する(Promote)
  • 整合性をとる(Align)
  • 対応する(Respond)
  • チェックする(Check)
  • 調整する(Adjust)
  • 見直す(Review)
  • 適合させる(Adapt)などなど

基準は?

以下の言葉は形容詞や副詞ですが、判断や評価の基準がクリアになっていないこと、また相手とその評価基準が異なっていることがあります。

  • 一般的に(Generally)
  • 基本的に(Basically)
  • 重大な(Serious)
  • 十分な(Enough)
  • 通常の(Normal)
  • 適度に(Appropriately)
  • もう少し(A little)
  • 難しい/簡単(Difficult / Easy)
  • 早く(Quickly)
  • 順調(OK)などなど

時間

次の言葉は時間に関するものですが、いずれも曖昧さが残る言葉ですので相手との認識のズレがないか確認する必要がある言葉です。

  • すぐに/ただちに(Immediately)
  • 素早く(Quickly)
  • あとで(Later)
  • 明日(Tomorrow)
  • 1分/5分(a minute / five minutes)
  • できるだけ早く(as soon as possible)

具体的には?

以下の言葉は具体性に欠けることから、相手の持つイメージとのズレがないか確認する必要があります。

  • 担当者 (Officer in Charge)
  • 利害関係者(Stakeholders)
  • 成功/失敗(Success / Failure)
  • OK(何がどういう状況になったらOKなのか?)

こんな言い方も注意が必要!

以下の言葉も要注意です!簡単に言いがちですが、実は曖昧な表現です。

  • 「問題」があった教えて(何がどういう状況になったら問題と認識したらいいか?)
  • Everything is under condtorl(「すべて」うまくいっているということですが、「すべて」が何から何までを含んでいるかが不明なことがあります)

ついついやってしまうこと

上のような言葉はあくまで一例なのですが、そういった言葉を逐一意味合いを相手と確認していくことは確かに面倒なこともあります。

そのように一つ一つ「落とし穴」に注意しなければいけないことがわかっていても、どうしても私たちが「しでかしてしまうこと」として以下のようなことがありますが、あなたは大丈夫でしょうか?

いちいち言わなくてもわかるよね・・・

上のような言葉について相手と共通認識があるかどうかわからないけれど、「いくらなんでもこれぐらい相手もわかっているだろう」と自分で勝手に納得して済ませていることってありませんか?

 

たぶんこういう意味だろう・・・

相手に確認したわけでもないのに、ついあなたの普段のものの考え方だけで「相手もきっと同じに違いない」と、それでひとりで勝手に解釈を済ませてしまうこと・・・これもよくありませんか?

 

あんまり細かく、しつこく聞くとなんだか申し訳ない・・・

言葉の意味を一つ一つ相手に確認することで

「かえって相手に迷惑がられるかも」
「いちいちこんなことを聞いたら馬鹿にされるんじゃないか?」
「相手に疎ましがられたりするんじゃないか?」
「こちらが相手を信用していないというような解釈をされてしまうんじゃないか?」

など、そうした確認作業を相手が嫌がるかもしれないという心情についなってしまいます。

しかし、そんなときこそ「落とし穴」は大きな口を開けていることもあるのです。

特にお互い知り合ってまもない頃などは「落とし穴」にはまりやすいですから、相手が嫌がろうとも、適切なタイミングを身測らないつつ相手と一つ一つ意味合いを確認していくようにしましょう。

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