コロナ禍での日本への入国(関西空港)

事情があって日本に一時帰国しました。

このコロナ禍では、海外からの帰国者が「コロナを持ち込む者」のように書かれたニュース記事等を目にしますが、ただただ悲しくなります。

しかしコロナが最初にやってきたのは海外からですし、最近では英国型とかインド株といった名称が付けられているように、「コロナは海外から持ち込まれたもの」であることに変わりはありません。海外から日本に入る者として、できる対策はしっかりしなければと考えています。

それにしても今回の日本への入国は本当に大変でした。それらへの感想はさておき、どんなことがあったかを記しておこうと思います。

なお、以下の内容はあくまで2021年5月下旬・6月上旬のもので、ヨルダンから関西空港での入国に関するものです。他の国から成田などでの入国でも同様かもしれませんが、ご参考にされる場合はみなさんの事情に応じた最新情報にご注意くださいね。

出国・入国の手続きに必要な「書類」の準備

まず海外を出発する前に、以下の書類を準備しておく必要があります。

1)PCR検査の陰性証明書
出国前72時間以内に海外の医療機関でPCR検査を受け、その結果が「陰性」でなければならないことは言うまでもありません。そして「陰性証明書」とはPCR検査を受けた結果、「陰性でしたよ」ということが書いてある文書であれば大丈夫です。

海外ではスマホなどに直接結果票が送られてくることも多いかもしれませんが、この結果票は印刷しておくことをおススメします。

2)厚生労働省指定のPCR検査証明書
厚生労働省が指定しているPCR検査証明書のフォーマットがあります。これをダウンロードして印刷し、PCR検査を受けた医療機関に持って行って検査結果を転記してもらい、医療機関のスタンプをもらわなければなりません

1)の検査証明書だけ持っていてもダメなんです。この厚生労働省指定の検査証明書がなければ日本で入国が認められません

フォーマットはこちらのページにダウンロードのリンクがあります。様々な言語でフォーマットがありますが、皆さんの現地事情に応じたものを使用すれば大丈夫です。

3)厚生労働省指定の「質問票回答QRコード」
リンクから質問票にアクセスし、回答していきます。回答が終わるとQRコードが最後に表示されますので、そのQRコードを印刷して持っておく必要があります。スマホのスクリーンショットでもいいようですが、印刷しておく方が断然スムーズです。

またこのQRコードは個人個人でそれぞれ必要になります。私は家内と長男がいますので、3人分別々に質問票に回答し、それぞれのQRコードを入手、印刷しました。

4)誓約書(関連情報はこちら。誓約書フォーマットはこちら
これは「日本に入国後、自主隔離など政府の要請・規則に従いますよ」という誓約書です。上の関連情報を参照し、誓約書フォーマットをダウンロードして必要事項を記入しておきましょう。

スマホアプリのダウンロードと設定

日本に入国後、「4つのアプリ」を使ってこちらの行動がモニタリングされますし、検疫所からの連絡もアプリを使って行われます。日本に到着する前までに必ずアプリをダウンロードし、できるところまでアプリの設定を済ませておいた方がいいです。

4つのアプリとは、
Google Map
OEL(位置情報確認アプリ)
MySOS(ビデオ通話アプリ)
COCOA(接触確認アプリ)」です。

それぞれのアプリの詳細はここでは割愛しますが、アプリのダウンロードの仕方、内容、設定の仕方はこちらで見られます。

出発前の準備としては以上になります。

ここからは、「ヨルダン出国」 ⇒ 「日本での入国手続き」 ⇒ 「隔離宿泊施設への移動・滞在」の順に、私が経験したことを振り返ります。

ヨルダン出国時

ヨルダンの首都、アンマンの空港のチェックインカウンターで、以下の3つの書類を持っているかを確認されました。日本政府から各航空会社へ要請が出ているようで、これら3つの書類全てが揃ってなければ搭乗券をもらえません

1)PCR検査の陰性証明書
2)厚生労働省指定のPCR検査証明書
3)厚生労働省指定の「質問票回答QRコード」

乗り継ぎ地(ドバイ)と機内の様子

無事ヨルダンを出国し、経由地のドバイを経て関西空港に向かいました。アンマンからドバイへの乗客は7-8割ぐらいと想像より多かったです。

またドバイの空港もコロナ禍前の7-8割ぐらいの人出でした。欧州などで予防接種が進んでいるので、人の動きも戻りつつあるのかもしれません。

ドバイの空港では飛行機を降りてから「乗り継ぎ」のマークに従って進んでいくと、途中でコロナ検査結果をチェックするポイントがありました。ここでは上記1)の結果票を見せて通過します。

ドバイから関西空港への飛行機は、我々家族を含めて20名ぐらいの乗客のみでした。シートをいっぱいに使って横になることができ、かなり快適に過ごせました。

また、この関西空港への飛行機の中で「質問票(Questionnaire)」と呼ばれる書類が配布されます。「過去14日間にどこにいたか」を主に問われるものです。到着するまでに機内で記入し、持っておく必要があります。

関西空港到着

さて、いよいよ入国です。

成田空港から日本に入国された方の話では、他の到着便も多く、入国の手続きに4-5時間、長い人で9時間かかったという人がいました。ターミナルが入国手続きの人で混雑しているからという理由で、飛行機がターミナルに着いてもしばらく機内で待たされることもあるそうです。

関西空港ではどれだけ入国するのに時間がかかるんだろう・・・と戦々恐々としていました。しかし関西空港は国際便の発着がまだ少ないようで、私達の乗ったエミレーツ便が到着したときも他の飛行機の到着がなく、入国手続きは2時間弱で済みました。

さて、入国手続きにあたり、準備してきた以下の書類を手元に用意します。

1)PCR検査の陰性証明書
2)厚生労働省指定のPCR検査証明書
3)厚生労働省指定の「質問票回答QRコード」
4)誓約書
5)質問票(Questionnaire)(機内で配られたもの)
6)パスポート
7)搭乗券

入国手続きのプロセス

私達の場合、手続きは以下のような順番で進みました。

1)体温・書類・座席番号の確認
体温を測り、上記7点の書類を持っているかの確認。
また、搭乗券で関西空港到着便の飛行機の座席番号を確認されます。

2)PCR検査
梅干しとレモンの写真が貼られた個別ブースで、唾液を容器に入れて提出します。

3)過去14日間の所在履歴の確認
機内で配布された「質問票(Questionnarire)」に基づき、過去の所在履歴を聞かれます。ここで家族3名ともヨルダンでの滞在であることが正式に確認されました。同時に、ヨルダンからの出国者は検疫所が指定する施設で入国後3日間の隔離が必要であると告げられます。

4)スマホアプリの動作確認
ここでは各自のスマホにちゃんと4つのアプリが入っているか、正しく設定されているかの確認が行われます。

成田など、入国者が多いところではここで結構足止めを食らって時間がかかるんだろうなと思います。一人一人、それぞれのスマホを開けるように言われ、アプリがちゃんと入っているか、設定は正しいかどうかを確認されます。

スマホを持っていない人は、この手続き中にスマホをレンタルし、4つのアプリを入れることが求められます。

長男(14歳)はスマホを持っておらず、係の人によると「スマホをレンタルする必要がある」とのことでした。。。やむなくレンタルしましたが、レンタル料は2週間で¥15,000です(現金不可、クレジットカード払いのみ)。

5)「質問票回答QRコード」の確認
QRコードの確認が行われます。ここでは主に「これから14日間の自主隔離をどこで行うか」が確認されます。

6)PCR検査の結果待ち
私達の場合は結果待ちのスペースに到着して5分後ぐらいにPCR検査の結果が出ました。上のアプリ確認のところで長男のためのスマホレンタルや、アプリの立ち上げなどで時間がかかったからでしょう。

PCR検査の結果は家族全員陰性で、次の手続きに向かいます。

7)「誓約書」の確認
誓約書の内容は、大雑把に言えば「これから14日間、ちゃんと規則に従います」というものです。

誓約書の記載内容を確認され、あらためて口頭でもこれからの行動に関する諸注意の説明を受けます。

8)入国審査(イミグレーション)
ここからは通常通りの入国手続きです。パスポートを使って入国手続きをします。

9)預け入れ荷物の受け取り
ターンテーブルで荷物を受け取ります。既に預けていた荷物全てがターンテーブルから降ろされ、こちらが預けた5つの荷物がきれいに並べて置かれていました。さすが、日本の空港です。

10)隔離施設へ向かうバスに移動
荷物を受け取り、税関を抜けて空港ロビーに出ると検疫所の係の人がいて、隔離宿泊施設に向かうバスに誘導してくれました。

隔離宿泊施設にて

隔離施設となっているホテルに到着し、バスを降りると部屋の割り当てが行われます。

そして夕食のお弁当とお茶のペットボトル、体温計を渡され、そのまま部屋へ移動します。部屋に向かう移動はひとりずつ、もしくは一家族ずつです。

部屋の鍵はもらえません。「一切の外出がない」という前提なので、鍵は不要なのでしょう。

部屋にはたくさんのペットボトルのお水、3日分のバスタオル、歯ブラシなどが置かれていました。お水は足りなくなったら内線で連絡し、持ってきてもらうシステムです。

食事は3日間、3食、全て各部屋の前に設置された椅子に届けられます。食事の時間になるとドアの呼び鈴が鳴り、自分でドアを開けて椅子に置かれた食事を受け取ります。

3日間の私の行動は、だいたい以下のようなものでした。

・朝7時半:朝食
時差ボケの身には、朝食とはいえドアベルが鳴るのが非常につらかったです。。

 

 

・午前11時ごろ:
「質問票回答QRコード」を作成する際に入力したメールアドレスに、厚生労働省からメールで健康チェックが入ります。午後2時までに回答する必要があります。質問内容は「身の回りに熱のある人はいないか」「身の回りに体調を崩している人はいないか」の2点です。

・午前中:
OEL(位置情報確認アプリ)から、現在地を知らせるよう指示が来ます。アプリを開き、「今ここ」というボタンを押して終了です。

・午後12時頃:昼食

 

・午後・夕方頃:
2度目のOEL(位置情報確認アプリ)作業があります。

・午後7時頃:夕食

 

だいたいこんな感じの1日なのですが、それ以外は時差ボケでボーっとしながら仕事のメールを書いたり、眠っていました。

そしてようやく3日目!

起床後、すぐにPCR検査(唾液)です。
唾液の入った容器を、朝の7時半までに部屋の外側のドアノブに設けられたコップに入れておきます。

私達の場合は午後1時ぐらいに内線電話で結果(陰性)の連絡がありました。

午後7時まではそのまま部屋にいてもいいし、退出してもいいです、と言われました。私達はたまたまもう一泊、隔離施設と同じホテルに予約を入れていたので退出しました。

まとめ(現地を出発する前に用意しておくこと)

入国は上のようなシステムですが、現地を出る前に「書類を全て印刷して持っておくこと」「4つのアプリを出発前にスマホに入れておくこと」をおススメします。

・書類を全て印刷して持っておくこと
入国に必要な書類は以下の7点ですが、パスポート、搭乗券以外は全て印刷して持っておきましょう。なぜなら、その良し悪しはともかく日本は書類文化ですし、入国手続きの係の方達も「紙」で手続きをすることを前提にしているからです。

1)PCR検査の陰性証明書
出国前72時間以内に受けたPCR検査で「陰性」だったことを示す文書。

2)厚生労働省指定のPCR検査証明書
(関連情報、フォーマットはこちら

3)厚生労働省指定の「質問票回答QRコード」
(関連情報はこちら。質問票の回答はこちらから。最後にQRコードが出ますので、それを印刷することが重要です)

4)誓約書(関連情報はこちら。フォーマットはこちら

5)質問票(これは機内で配布されます)

6)パスポート

7)搭乗券

4つのアプリを出発前にスマホに入れておくこと
日本に到着して飛行機を降りてからスマホにアプリをダウンロードしたり、設定するのではなく、現地を出発する前にアプリをダウンロードし、できるだけ設定を済ませておいたほうがいいです。

入れておかなければならないアプリは以下の4つです。
1)Google Map
2)OEL(位置情報確認アプリ)
3)MySOS(ビデオ通話アプリ)
4)COCOA(接触確認アプリ)

ここにダウロードの仕方、設定の仕方が整理されています。

これから日本に帰国される方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞお気をつけて!